2011年11月

ありがとう

「半月」 この子は一番展示の機会が多かった。4回。もっとも多くの人の目に触れた作品となりました。

今日でお別れ。

今まで、ありがとう。

「駆る半月沈まず 湿原遥か」

この子のために作った回文です。

はんげつ


※「続きを読む」に、写真を何枚か載せています。

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ことばとからだ

哲学者の鷲田清一先生の本『「ぐずぐず」の理由』を読んだら大変面白く、ググッときた文章があったので引用させていただきます。
この本はオノマトペ(擬態語)にまつわる文章をまとめた本で、ことばの感触とひとの存在感覚を扱った大変興味深い内容となっています。鷲田先生は十代のころからファンで、ずっとその著書は読ませていただいています。


とくに引き込まれたのが、「言葉の内臓感覚」という項目。三木成夫の文章を引用し、人の発生や発達という切り口が盛り込まれたところで何かがカチッとはまったような感覚がありました。
三木成夫の本は大学生のときに『胎児の世界』という本を読んでショックを受け、また人形制作を始めてから再読して人の発生・発達というものについては時折思いを巡らせていたのです。

まさか、オノマトペという「ことば」の世界と絡めて論じられるとは…。

言葉が閉ざされるとき
言葉が言葉になりきらないでもごもご言っているうちはまだいい。が、最後まで言葉をこじあけられないときは?言葉がせき止められたままのとき、喉元の軋みとその緊張はからだのあちこちに伝搬し、そこをこわばらせ、ひずませ、ひきつらせる。それそれの部位のひきつりはたがいに干渉しあい、相乗しあって、からだ全体の佇まいをもゆがめてしまうはずだ。
(鷲田清一『「ぐずぐず」の理由』113p)


私の人形制作においては、「ことばを封じられている」 「ことばが通じない」といったことが重要なテーマなのですが、この文章を読んで「そうか!」と。
ことばが出せなくて身体がゆがむんだ、だから普通の体型はイヤなんだ、と。
自分の中でひとつの納得ができた瞬間でした。

引用箇所は主に、失語や吃音についての文章なので私の考えていることとはずれているのかもしれません。しかし、「ことば」という観念的なものが具体的にここに存在する「肉体」に影響を与えるということは非常に興味深く感じられました。


まだまだ本の内容を消化しきったわけではなく、この本はこれからも何度も読み込むことになるかと思いますが、いろいろと考えをひろげるきっかけとなりました。

「ぐずぐず」の理由 (角川選書)「ぐずぐず」の理由 (角川選書)
(2011/08/25)
鷲田 清一

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胎児の世界―人類の生命記憶 (中公新書 (691))胎児の世界―人類の生命記憶 (中公新書 (691))
(1983/01)
三木 成夫

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10月の回文

10月はほんっとに忙しくしていまして、あまり回文が作れなかったんですが、結構良いのができたかなと思っています。
数が少ないので、すべて「続きを読む」のところに載せておきます。

今月のお気に入りは以下の作品。

焚いて消す肉感、輪郭に透けていた

お香を焚いて、人の気配を消しながらも消しきれないで漂う肉感、みたいなイメージ。
「輪郭」という言葉を使う、というテーマで。


逃遁 死後の恋 この護身刀と

なんだかベタな感じですが、護身刀だけを抱いて恋人との死後の再会を願う、というようなイメージ。
「死後の恋」という言葉を入れてみたくて作りました。

新作 「Song for the depth」

MIDOW展に出展した新作「Song for the depth」です。

※画像をクリックすると大きいサイズで見られます。
そんぐ

ふぉー

でぷす

「宝石の城」に出展したクジラオブジェを作りながら、もっと大きなクジラの尻尾を作りたい!と思って、一気に短期間で仕上げた作品です。

※続きは「続きを読む」をクリックしてください。

新作 「問わずの海」

MIDOW展に出展した新作「問わずの海」です。


※画像をクリックすると大きいサイズで見られます。
とわず

うみ

うんかい


コンクールに参加するにあたって考えたことは、「いつもと違う表現に挑戦しよう!」でした。
フッと、雲海の中から顔を出して月を見つめる女性の姿が浮かんだので、この姿になりました。

作りこむのは大変でしたが、雲の部分の造形が気に入っています。
月の部分には、銀箔を貼りました。

MIDOW展、終了しました。

11月1~3日に行われた、「創作人形コンクールMIDOW展2011」無事終了しました。
1,2日は平日であったにもかかわらず、来場者が途絶えることなく本当にたくさんに方に見に来ていただきました。
関西でこれだけ大きな人形展が開催されたことを喜ばしく思うと同時に、ここから大きなうねりが生まれることを願います。

今回「球体関節人形部門は該当作無し」という結果となりました。
このことも、今後に向けての大きな問題提起となったと思います。

受賞者と、「球体関節人形部門については該当作無し」であった理由についてのコメントがこちらに発表されていますのでご覧ください。

私は、「半月」 「キセキ眠る城」 「Song for the depth」 「問わずの海」の4作品を出展していましたが、「半月」という作品でオブジェ部門賞とマリア書房賞を受賞しました。
これまで励ましてくださった皆さま、ありがとうございました。


一つの作品で二つも賞をいただけたこと、とても嬉しかったのですが、少々複雑に思うこともありました。
書き留めておきます。

まず、3年近く前の作品が高く評価されたこと。
私は今回のコンクールのために、「Song for the depth」 「問わずの海」の2作品に力を注ぎこんでいました。
この2作品のいずれかが評価されたらいいな、と。
あまりに意外でしたので、受賞パーティでマイクを向けられて思わず「なぜこの作品ですか!?」と、審査員の方に噛みついてしまったくらいです。

技術的な面でいえば、3年前よりも格段に磨かれているはずですが、ひとつの作品としてみたときの評価は別のところにあるんですね。
審査員の矢部先生に、「この作品には欠けるところがない、他の作品はいずれも足りないところがある」と言われたのが印象的でした。


※続きは「続きを読む」をクリックしてください。

終了しました◆創作人形コンクールMIDOW展 2011

次回展示のお知らせです。

ミドーテン

創作人形コンクール MIDOW展 2011

会期:11月1日(火)~3日(木) 9:00~18:00(最終日16:00まで)
会場:御堂筋ホール心斎橋9F


私の所属するアール・リベ人形学院主催の創作人形コンクール展です。
写真審査を通過した応募作品と、審査員の作品が並びます。
関西でのこれだけ大規模なコンクール展はとても珍しいのではないでしょうか?

ちなみに私は教室の生徒ですのでスタッフとして全日在廊予定です。
「実技コーナー」も設置される予定ですので、時間帯によっては私もそこで制作風景を公開しているかもしれません(他の生徒さんの場合もあります)。
基本的に、技術的なことに関してはオープンにする予定ですので、制作に関心のある方も是非お越しください。

また、私もコンクールに複数作品を出展する予定です。
今まではとは違った新しい表現にも挑戦しています。
こちらも見ていただければ、と思います。



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